10月より日経MJの奔流eビジネスのコーナーに寄稿することになりました。月1回連載予定です。初回は以前ブログにもポストしたEverlaneについて。

人気急上昇の米アパレル 原価や縫製費まで公開

nikkei

合わせて眼鏡ECのWarby Parker(ワービーパーカー)についても書いたのですが、スペースの都合で書ききれなったので、ちょいと補足ブログをば。

アップルを抜いて The World Most Innovative Company 2015 by FastCompany

Warby Parker
Warby Parker
https://ca.warbyparker.com/

2010年ニューヨーク生まれのこのブランド、学生でも買える値段でイケてるサングラスを作りたい!ということでニール・ブルーメンソール(Neil Blumenthal)さんとデーヴ・ギルボア(Dave Gilboa)さんによって創業されました。今年FastCompanyの最も革新的な企業にも選ばれています。なんとアップルやグーグルを抜いて!

選ばれた理由は「FOR BUILDING THE FIRST GREAT MADE-ON-THE-INTERNET BRAND(=インターネット生まれの最初の優れたブランド作り)」。

どのように安価に提供しているか?は、奔流eビジネスに書いてますのでそちらでぜひ!

家で試着できるサービスを提供

他のネット通販同様、購入のハードルとなるのは試着が出来ない点。それをクリアするため、購入前に無料で試着できるサービスを提供しています。ステップはいたって簡単!

  1. サイトで好みのメガネやサングラスを選びます
  2. メガネが送られてきます(冒頭の写真)
  3. 思う存分試着します(5日間)
  4. 送られてきた箱に詰め、同封の返送用ラベルを貼ってポストへ投函
  5. 気に入ったメガネがあったらウェブで注文します

という流れ。送られてくるメガネはあくまで試着用で、そのままキープはできません。家で試着できるので、店頭と違って、服を変えたり、髪型を変えたりと色んな試し方ができます。

ちなみにポストに投函って、このデカイ箱入るのか?と思われると思いますが、アメリカは郵便ポストも大きいです。

試着用の店舗がある

また現在は全米に店舗を構えていて、店舗でも試着できるようになっています。ただあくまで店舗は試着用であり、購入は店頭のiPadで行い、後日家に届く仕組み。在庫を店舗に置く必要がないので、その分のコストもおさえ、かつレジなどもないので店員数や管理コストを抑えることができているのだそう。map

お店に行っても買えないなんて!と最初思いましたが、自分も服などを買うときに、実店舗で試着して、じっくり1日〜2日家で考えてからネットで買う、というのを日常的に行っているので、店頭で買えなくてもいまどきは気にならないのかもしれませんね。

買うと社会貢献できる仕組み「Buy a pair, Give a pair」

実はWarby Parkerが革新的なのは、ネットによるブランド作りやハイセンスで安価であることだけではないんです。「Buy a pair, Give a pair」という仕組みで、購入することで社会貢献できるようになっています。BuyoneGetone
パートナーのNPO団体に売れたメガネ分の仕入れコストを寄付し、発展途上国の視力検査とメガネの販売支援を行っています。全世界で7億人がメガネが必要な状態にも関わらず手に入れることができない状態にあるのだそう。

その人達に単発でメガネを寄付するのではなく、メガネの視力検査と販売方法をトレーニングし、トレーニングを受けた人にとっては継続的な収入源となる支援を、そしてより多くの人にメガネが届くような仕組みを作っています。すでに35カ国18,000人をトレーニング済み。

誰かに与えるために誰かから奪うのではなく、give and giveの状況を作りたかったとのこと(というのをFounderが何かのインタビューでこたえていたと思うのですが、ソース探せなかった…でも言ってたはず!)。安価なプロダクトを提供するために、労働者を酷使するような話も聞くので、なんかほっこりする話です。

安いから、カッコイイからという理由だけでなく、その先の共感できるストーリーがある。素敵なブランドだなーと思いました。

Warby Parkerは4月に$100 Million(約120億円)の資金調達を行い、調達時の時価総額は$1.2 Billion(約1,440億円)でした。店舗の拡大と、モバイルアプリを使った視力測定の技術開発に資金を投入する予定とのこと。さらなる展開も楽しみです。

※ 肝心な「FOR BUILDING THE FIRST GREAT MADE-ON-THE-INTERNET BRAND(=インターネット生まれの最初の優れたブランド作り)」の部分について書いてませんが、様々な面白いマーケティングキャンペーンを行っているので、そこはまた機会があれば!「Buy a pair, Give a pair」もある意味ブランド作りに一役買っているとは思いますが。

<参考>

The World’s Most Innovative Companies 2015
Warby Parker Now Worth $1.2 Billion, Focusing On Building More Brick-And-Mortar Stores
Hip eyewear peddler Warby Parker is officially a billion dollar company
Warby Parker Beats Out Tech Giants On ‘Most Innovative’ List

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