スタートアップ(日本でいうベンチャーみたいなもの)というと、なんとなくIT系でインターネットサービス、スマートフォンアプリなイメージがあると思うのですが、米国では幅広い分野でスタートアップがうまれています。

スタートアップってなんなの?ベンチャーと違うの?みたいなところは、Btraxの「ベンチャー企業とスタートアップの違い」という記事がわかりやすかったです。

スタートアップには、コレ!という定義はないんですが、

スタートアップを一言で表現すると、“新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一獲千金を狙う人々の一時的な集合体”である。

というのは、確かにそんなイメージだなぁと思います。
今年に入って資金調達をしたスタートアップの中から、私が「こんな分野にもあるのかぁ」と思ったものをいくつかご紹介します。

1. 新薬開発: Atomwise (設立:2012年)

Seed VC ($6M) Khosla Ventures, Data Collective, AME Cloud Ventures

ディープラーニング(人工知能)を活用した新薬開発スタートアップ。薬って製薬会社が作るんじゃないの?と思ったのですが、このスタートアップは製薬会社や研究機関にサービスを提供しているそうです。

[参考]YC Alum Atomwise Raises $6 Million To Further The Advancement Of Artificial Intelligence In Drug Discovery

2. 通勤バス: Chariot(設立:2014年)

Seed VC ($3M) SoftTech VC, Maven Ventures Growth Labs, Scrum Ventures

私にとってバスといえば東急バスのイメージですが、SFではスタートアップのバスも走っています。Scrum Ventures も投資している Chariot は、クラウドソーシングでルートを募り、一定数に達したら運行が決まる通勤バスです。オフィス街で最近よく見かけます。

[参考]ドローンの次はバス。Scrumが「バス会社」に投資をした理由。

3. 犬の散歩: Wag!(設立:2014年)

Seed VC ($2.45M) RRE Ventures, Greylock Partners, Freestyle Capital

犬の散歩代行のスタートアップが$2.45M調達しています。今のドル&円換算でいったら約3億円。犬の散歩を軽んじているわけではないですが、なんかすごい。CEOのJoshuaさんは、忙しい人でも犬を飼えるように!との思いでサービスをはじめたそうです。最近ニューヨークでもサービスがはじまりました。

[参考]Meet Wag, an App to Help You Find a Dog Walker

4. 女性向けバイブ: Nuelle(設立:2012年)

Series B ($7.05M) NEA, BVCF, Correlation Ventures

TENGAがベンチャーキャピタルから投資をうけたようなイメージでしょうか。ちなみにTENGAは「典雅」で「整っていてみやびやかなこと」という意味なのだそうです。知ってました!?

5. コーヒー屋: Philz Coffee(設立:2003年)

Series B ($15M) Summit Partners, CrunchFund, Cowboy Ventures

日本上陸したBlue Bottle Coffeeも最近$70Mという大規模な資金調達をしています。Philz Coffeeはスタートアップと呼ぶには設立から時間が経ちすぎている気がしますが…、サンフランシスコ生まれのコーヒー屋さんで、とても個性的な内装&メニューを提供してます。冒頭の写真はPhilz Coffeeです。

[参考]This Silicon Valley coffee shop just raised $15 million in venture capital and is planning to take over the US

6. 食品: Soylent(設立:2013年)

Series A ($20M; Valuation: $100M) Index Ventures, a16z

未来の食事。粉に水を混ぜて飲めば、必要な栄養素が摂取できるという液状代替食品です。私も試したのですが、単体では飲み続けるのは苦痛だなと…。スムージーなどと混ぜて味をごまかして飲みたい感じでした。

[参考]飲むだけで生きていける食品「ソイレント」がアップデート、味や成分に大きな変化

7. 学生ローン: Earnest(設立:2013年)

Series A – II ($17M) First Round Capital, Andreessen Horowitz

学生の将来の稼ぎを予測してお金を貸してくれるサービス。登録の際には、LinkedInや学歴の登録などが必要になります。HARD THINGS で話題のベン・ホロウィッツのAndreessen Horowitzから投資を受けています。と思ったら、Founderはこの事業をはじめる前はAndreessen Horowitzのパートナーだったんですね。

[参考]Is Earnest’s Alternative Approach to Student Loan Refinancing Worth Considering?

資金調達の Source は私が働いている Scrum Ventures のブログより。このブログでの発言は当たり前ですが個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありませんー。

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