一昨年、Netflixのデータドリブンな映像作品作りについて記事を書いたところ、1000 Like超えでたくさんの方に読んでいただきました。

データドリブンで制作された大ヒットドラマ「House of Cards」、何がデータドリブンなのか調べてみた

この年末、韓国コスメのMemeboxが大規模な資金調達(総額$160M)をしていて「Memeboxが韓国から世界へとこんなに元気がよいなら、日本からも日本食など、良いものをもっと発信できないだろうか?」と思い色々調べたところ、こちらもキーワードはデータドリブンなオリジナル商品作りでした。

Memeboxについてかいた記事はこちら↓

韓国発のコスメサービスがアメリカで大規模資金調達、人気の理由とは?

確かに従来の店舗であれば、売れている商品の情報しかわかりません。でもネットなら例えば以下のような情報も取得可能です。

1.検索履歴から、顧客が探しているけどなかった商品 (店舗では顕在化せず)
2.買おうとして選択したけれども売り切れていた色 (店舗では顕在化せず)
3.よく見られているけれど売れてない商品 (店舗では手にとったけど棚に戻った商品)
4.購入後によくシェア (=評価が高い) されている商品 (店舗では顕在化せず)

店舗では顕在化しないネットならではの情報を、新たな商品開発や仕入れに反映させることは大きく売り上げに変化をもたらしそうです。

この記事を書いていてふと、これ、従来の実店舗だったらわからないけど、AmazonGoならわかるのでは?と思いました。AmazonGoの動画をご覧ください。

そしてスクラムベンチャーズのこのAmazonGoの店舗のセンサー予測記事も!

Amazon Goの仕組み。「カメラとマイク」で実現するレジなしスーパー。

USA TodayのAmazonGoの店舗センサー予測動画はこちら↓ゲート部分だけでなく、店中にセンサーがついてるんです。

AmazonGoなら、従来の店舗では把握できていなかった、下記のような情報も取得できるはずです。しかもネットで購買履歴や詳細な顧客情報とともに。

(1)買おうか迷ったけど棚にもどした商品
(2)顧客がよく立ち止まった棚
(3)商品を決定するまでに通ったルート

従来の店舗でも、売れている商品の情報が仕入れに反映されたり、合わせて購入されている商品の情報が合わせ買いの棚作りに反映されたりということは、もちろん行われていると思います。でも基本的には売れている商品の情報です。

でもAmazonGoなら、上記のような情報がわかるようになり、

(1)「買おうか迷ったけど棚にもどした商品A」そして「最終的に購入された商品B」からAが売れなかった理由を判定
(2)「顧客がよく立ち止まった棚」の情報から、その顧客への訴求が高い商品や効果的なプロモーションの仕方を判定
(3)「商品を決定するまでに通ったルート」から、効果的な店舗の導線を判定
 
といったことが可能になるのではないでしょうか?あくまで私の予想ですが、アマゾンならもっと深いことを考えていそうな気がします。
 
これまでであれば、ユーザーテストやグループインタビューなどを実施してユーザーに聞いていたことを、ユーザーの実際の動きから判定することが可能になります。デザイン思考の観察を自動化しちゃったような感じ。わざわざユーザーに聞かなくてよいから、ずっと早く現場に反映されそうです。
 
またネットのアマゾンがAmazonGoにより実店舗化すると考えるなら、時間帯で棚の自動入れ替えなどもやっちゃいそうです。昼と夜で異なる客層に向けて、陳列の位置が勝手に入れ替わるイメージ。Amazonはレコメンデーション得意ですもんね。アマゾンの倉庫で活躍している「Amazon Robotics」が店舗でも活躍したりして!?
 
AmazonGoと同じ時期にローソンのレジ打ちや袋詰めを自動で行う「無人レジ」の実証実験が公開されましたが、Amazonの方がさらに先を行っている印象を受けました。
 
年末に「アマゾンダッシュボタンはただの便利アイテムではなく、アマゾンが仕掛けた買い物が大きく変わる第一歩」というポストでも書きましたが、新たなお買い物の未来を作るAmazon、2017年も楽しみです!
 
(とはいえ、あくまで諸々私の妄想です)
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