編集委員の横尾茜です。

自分にとっては習慣化してしまって意識していないことが、他人にとっては目からウロコのライフハックだった!? なんて激レアなライフハックを探るインタビュー『突撃!隣のライフハック』。

第12回は、小山龍介さんに突撃しました。

IDEA HACKS!』、『TIME HACKS!』などなど、数々のハック本の著者としてだけでなく、Webサービスのプロデューサー、経営コンサルタントとしても、ご活躍していらっしゃいます。

インタビューは以下から!

 

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ヨ:様々な「ハック本」を執筆することになったきっかけを教えてください。

コ:MBA取得のためにアメリカに留学していた際に、シリコンバレーで3カ月ほどインターンとして働く機会がありました。その時に、みんなが楽しそうに仕事をしているのを見て、衝撃を受けたんです。

日本は残業が多くて、ストレスが多くて...何が違うんだろう? と思っていたんですが、2005年ごろ「ライフハック」という言葉が出てきたのをきっかけに、そういうものかもしれないと思うようになりました。

ダニエル・ピンクは『モチベーション3.0』で、仕事をわくわく楽しくするためには「自立性」が必要と言っています。自立性は、4つの「T」で構成されています。「チーム」「タイム」「タスク」「テクニック」。

大概の日本企業では、最初の3つは自分の力ではどうにもならないことが多い。融通がきくのは最後の「テクニック」ですよね。仕事を楽しくするための「テクニック」を提案できればと思い、2006年に機会があって『IDEA HACKS!』を出版することになりました。

ヨ:本当にたくさんの本を書かれていますが、書いてあるハックを全部実行していたら大変じゃないですか!?

コ:もちろん全部はやってないですよ(笑)。途中でバージョンが変わったりしますし。コレをやりだしたら、アレはやらなくてよいというのもあります。

ライフハックは義務感ではなくて楽しいかどうか。楽しいと仕事に創造的に取り組める。

ライフハックというと、効率化と誤解されることもあるんですが、ぼくは効率化というより、創造性を大事にしています。効率化を求めると、より忙しくなりますしね。

もっと早く、もっと儲かるように、を求めるあまり、仕事自体はドンドンつまらなくなってしまう。楽しくなくなってしまう。ライフハックはそういうものではないと思うんです。ライフハックは仕事が楽しくなるものだと思っています。

ヨ:クラウドハックの本を執筆中とお聞きしました。気になるその中身をちょっとだけ! 教えてください!

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コ:身の回りの紙のデータベース化は、クラウドハックの中でも触れています。特に書籍のデータベース化。いわゆる「自炊」ですね。

1日数冊ずつ、裁断して→スキャナで読み取って→データベース化して『DropBox』に入れておけば、家からでも会社からでも外出先からでも、どこからでも書籍にアクセスできる。最近は本を持ち歩くこともなくなりました。

OCRで読み取っているので、文字検索もできますし、面白いところに付箋をはさんでおくこともできます。

ヨ:読み取る本と読みとらない本の違いってあるんですか?

コ:引用ができる本、しやすい本は先に読みとるようにしています。ジョセフ・キャンベルの『神話の力』とか、引用するとかっこいい(笑)。

あとは雑誌。雑誌はテーマごとに、グラフや相関図などがわかりやすく表現されていますよね。後日、社内での参考資料として活用しやすいです。

裁断は「プラス PK-513L」で、スキャナは「富士通 ScanSnap」、家と会社に置いています。今使っているもので4台目です。

ヨ:確かに、思ったよりオフィスに本が少ないですね。

コ:本や雑誌に限らず、紙資料も全てスキャナに通す。スキャン→シュレッダーが一連の流れになっています。本も一回裁断してスキャンしたら、読めないので捨てちゃいますし。

ヨ:シュレッダーもオススメがあったら教えてください。

コ:コクヨS&T デスクサイドシュレッダー」を使っています。コンパクトで音が小さく、長時間シュレッダーできるのが、なかなかよいですね。

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ヨ:クラウドハックの本の中身をもう少しお聞きしてもよいですか?

コ:「情報収集をクラウド経由にする=情報にフィルタをかける」というような内容も書いています。

情報が自分に到達する前に、エージェントをかませる。自分にとって、より精度の高い情報を取り入れるためのエコシステムをどう作るか? について書いています。「はてなブックマーク」や「2ちゃんねるのまとめサイト」、「togetter」などの活用です。

ヨ:色々参考になりそうですね。発売楽しみにしています! 最新刊『RELAX HACKS!』が出たばかりですが、この中からもオススメのハックがあったら、教えてください。

コ:ぼくのイチオシは、ホームベーカリーです。小麦粉はちょっといいものを使う。「はるゆたかブレンド」をおすすめしているんですが、本当にふわっふわになります。

ヨ:ひと手間はかかるけど、美味しくていい香りでリラックスですね。

コ:それからコーヒーメーカー。ボタンを押すと、豆をひくところからはじめてくれる「デロンギ 全自動コーヒーマシン ESAM1000SJ」を使っているんですが、これは本当に買ってよかった。

ちょっと高いけど、毎日使う。1年半は使うとして500日。50,000円だったとしても、1日100円ですから。お店で飲むより全然安い。

あとはスポーツですね。仕事に集中する時間とリラックスする時間を、分けたくてもなかなか分けられない。そういう人はスポーツを取り入れるのがいいと思います。運動中は雑念がなくなって、リラックスできるんです。

映画やコンサートだと、どんなにリラックスしようとどうしても雑念が入ってしまうんですね。でも運動はそんな余裕がない。なのでリラックスできる。しかも、運動して体力がつくと集中力が高まるので、仕事にも役に立つ

ヨ:私も最近、健康を意識しなくちゃなーと思うようになりました。

コ:健康といえば「Wi-Fi BodyScale」、これは本当にオススメです。毎日体重計にのるだけで、Wi-Fi経由でデータをパソコンからWebサイトに蓄積できる。さらに、iPhoneアプリまで準備されている。

病気とかした時に、体重の変化に気付くと思いますよ。毎日体重計に乗るだけのシンプルさ。これは買った方がいいですよ。

ヨ:うーん、実は買おうかずっと迷ってたんですよ...でも、家帰ったら買います!

ヨ:クラウドやリラックス以外で、最近の小山さんのオススメハックがあったら、教えてください。

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コ:最近は時間がなくて出来てないですけど、Ustで番組を配信しています

番組を理由に会いたい人に会って、話を聞けるという利点もあるんですが、リアルタイムで配信するようになって、ラジオのパーソナリティのテクニックに注目するようになりました。

ラジオってすごいですよね。すごく勉強になります。ラジオは言葉だけでつないでいかないといけない。

最近はラジオのノウハウを学んで、Ustで実践してみています。Ustはテレビ的というより、ラジオ的ですよね。横にTwitterでタイムラインが流れたり。今は「radiko」があるから手軽にラジオが聞けますし。

ヨ:どんなテクニックがあるですか?

コ:フォローのテクニック」はすごく大事だと思います。生放送では、フォローできないとトラブルになっちゃうこともあるので。逆にフォローの仕方がわかっていれば、比較的大丈夫なんだと思います。

例えばですが、質問したけど、相手が想定していなくて驚いてしまった。会話が続かない。そんなときにどうするか?

「質問したのはこういう意図なんですよ」と説明しながら、考える時間をとって考えてもらう。それでも続かなかったら、どうするか?

「いやー、そんなこといきなり言われてもわかんないですよね」とか言いながら、自分への突っこみで話を終わらせるとか。自分でエピソードを言うとか。

会話が続かないところで立ち止まっていたら、放送が続かないですから。

ヨ:それって、普通のコミュニケーションでも使えるテクニックですよね。

コ:そうですね。トークのテクニックは絶対に必要ですからね。ラジオには、そのヒントが本当にたくさん隠れています。なので仕事中もラジオ聞いたりしています。最近のオススメです。

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ということで、第12回のインタビューいかがでしたでしょうか?

さすが小山さん、ライフハックの宝庫でしたね。さっそく家に帰って、私もWi-Fi BodyScale買っちゃいました!まだ数日分のログしかたまってないですが、体重計にのるのが楽しみになりました(今まではできるだけ避けていたんですが...)。

小山さん、ためになるインタビューをありがとうございました。では、また次回! 誰かのライフハックを探りに行きます!

(横尾茜)

編集部より:小山龍介さんを4人目の編集委員に迎え、来月からインタビュー新連載がスタートします。タイトルは「ハックの壺」です。乞うご期待!